12世紀初頭にスールヤヴァルマン二世によって作られたヒンズー教寺院。アンコール・トムの勝利の門を出て東に数百メートル進んだ左側にあり、道を隔ててチャウサイ・テヴォーダと向かい合っている。現在観光の対象となっている遺跡の中では最小の部類に属する。フランス極東学院による修復が終わっていて遺跡としての状態もよく、快適に鑑賞できる。復元されたのは高い基台部の上に乗った祠堂と拝殿、それに東西の塔門と東テラス、周壁の一部、それに経蔵などだ。現存する遺跡の東端にはかわいらしいテラスがある。他の遺跡で見られる最大のテラスはたぶんアンコール・ワットの十字型テラスだろうが、大きさは違ってもテラスとしての印象が似ているのは面白い。ここから何度か階段を上り下りして東塔門、拝殿を経て祠堂へと進んでいく。経蔵は南北対称ではなく南側だけにある。なお道路から建物に向かう手前にあるちょっとした窪地にも注意してほしい。ここはかつての環濠の跡である。ちなみにトマノンの建築は円錐形の塔、十字型テラス、繊細なリンテルやデヴァターなどを特徴とするアンコール・ワット様式である。 |