Ta Prohm タ・プローム

 
東西1000メートル南北600メートルという、ラテライトの周壁に囲まれた広大な敷地内に、12000人以上が暮らしたといわれるひとつの都市のような仏教寺院遺跡。寺院建築としては平面展開型でバイヨン様式に属する。12世紀にジャヤヴァルマン七世が母の菩提を弔うために建てたという。長大なラテライトの外周壁に囲まれた広い敷地の内部は深い森である。その中にある寺院の幾重にも周壁に囲まれた中心部には崩れ落ちた石材が散乱し、榕樹が林立している。
通常の入口は小回りコースに面した西門である。この門は裏門にあたる。ここはラテライトでできた外周壁上の西塔門で、バイヨンのように観世音
菩薩の顔が四方に刻まれている。ここから森の中をしばらく歩くと第四周壁の西門に至る。第四周壁はラテライトで、その西門は砂岩でつくられている。更に第三周壁の西塔門をくぐる。左右両翼がある立派な塔門である。

左右には第三周壁を囲む環濠の跡がある。次の第二周壁はラテライトでできている。内側は回廊になっていて、砂岩の屋根が乗っている。回廊には巨大な榕樹がのしかかるように根を這わせている。一般にタ・プロームの景観として紹介されるのはこのあたりだ。
第二周壁と第一周壁の間には崩れた石材が散乱している。第二周壁の東側塔門の内側には巨大な榕樹のからみついた光景が見られる。その先をしばらく歩くと、現在はひどく崩れた外周壁東塔門に至る。この塔門を出て南に歩くと、バンテアイ・クデイの外周壁西塔門までは程近い。
タ・プロームの雰囲
気を特徴づけているのは、寺院遺跡そのものというよりも、いたるところに見られる榕樹の巨大な姿だろう。榕樹は大変に高い樹木で、樹冠の部分を除いて枝がない。白くなめらかな樹皮が不気味にも感じられる。その根は寺院の石材の間に入りこんで、肥大化しながら遺跡を破壊していく。遺跡に熱帯の異様な樹木がからみつき、締め付けて破壊してゆく光景は、多くの観光客がアンコールに期待してきた光景そのものだ。密生する樹木のためにタ・プロームは昼間でも薄暗い。キーキーと鋭く鳴く鳥の声も不思議な雰囲気を強調している。


Temple
寺院


Trees
榕樹


Devatas
デヴァター


Basreliefs & Pattern
浅浮き彫りと文様

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