Ta Keo タ・ケウ

 

1000年ごろ、ジャヤヴァルマン五世の国家寺院として建設が開始されたが、王の死によって工事が中断され放置された。そのため、砂岩の構造材が積み重なって露出したままになっている。当時の寺院がどのようにして作られたかを知ることができる貴重な遺跡だ。石組みは精巧で隙間もない。山岳型の寺院(Temple Mountain)であり、中央祠堂の地上高は20メートル以上ある。
寺院は、現在は水のない環濠の内側にある二重の周壁に囲まれていて、どちらの周壁にも東西南北の四方向に塔門がある。外側の周壁は東西約120メートル、南北100メートル。基部がラテライト、上部が砂岩でできている。内側の周壁は東西約80メートル、南北75メートル。高いラテライトの基部の上に内側に開いた砂岩の回廊が乗っている。発展の初期段階にある回廊は狭く、外側には閉じ、内側にのみ窓が開いている。内側の周壁の内部には三層に高まる中央の基壇があり、その上に中央祠堂と四つの副祠堂が立つ。工事の中断された状態を最もよく示しているのはこれら五つの祠堂である。タ・ケウに行くと通常、車もバイクタクシーも売店などの並ぶ南側に着く。そこが現在の「正面」で、皆が南側から入っていく。しかし本当の正面は右手に回った東側にある。東側はさびれた印象だが、参道跡と境界石が残っている。参道は東に伸びて約五百メートル離れた東バライ西岸に達しており、突き当たったバライの堤防上には十字型の平面を持つラテライトの小さな遺構がある。あたりはヤブで眺望は期待できない。なお東バライへの道は一般には近づかない方がいいだろう。中央祠堂まで登って東を見ると、この東参道が確認できる。ちなみに外周壁東塔門を入った内側の左右には長方形の建物の遺構があり、更に内周壁を入った左右には経蔵がある。
タ・ケオの印象はいわばコンクリート打ち放しの近代建築である。砂岩の構造材が巧妙に積み合わされた景観に、現代に通じる造形の美しさを感じる。

 
 View from southwest(left). from south(center).
南西方向から見る(左)。南から見た祠堂群。中央が中央祠堂(中)。木々の合間から見える鋭角的な祠堂の姿はアンコール遺跡中でも特異な印象を与える(右)。
from West(left). west gate(center).
西側から見る(左)。西塔門(中)。

sidewall of outer enclosure(left). outer enclosure on the left and inner enclosure.
基壇部はラテライトを積んで作られている(左)。二重の周壁(中)。
East side of central tower.
中央祠堂東面。
副祠堂。十字型の平面構成である。
副祠堂の石組み。
東参道を見下ろす(左)。中央祠堂への急な階段 (中)。

top