Pre Rup プレ・ループ

 

961年にラージェンドラヴァルマン王によって作られたヒンズー教寺院遺跡。東バライの南岸、東メボンの真南にあたる位置にある。都がコー・ケーからアンコールに戻って最初に作られた国家寺院である。周囲にはラージェンドラヴァルマンにより都が築かれたという。
レンガとラテライトを主要な建築材料とする巨大寺院の最終的な形態がこのプレ・ループだ。建築様式(プレ・ループ様式)はコー・ケー様式からバンテアイ・スレイ様式への移行期にあたり、中央部のピラミッド上の基壇部を囲むように配置された長方形の建物が特徴だ。プレ・ループ様式の遺跡としては、他に東メボン、バット・チュム、クティスヴァラなどがある。主材料はレンガだが、砂岩が次第に多用されはじめる時期だ。そして、これ以降、建築材料
(外装材)は砂岩へと移行していく。そうしたひとつの時代の末期にふさわしく、プレ・ループの平面構成は複雑である。外周壁は東西一二七メートル、南北一一七メートル。東西南北に塔門がある。正面の左右にはレンガの塔を各三つずつ配置している。また北側・南側・西側には細長い建物が並んでいる。内周壁は東西八十七メートル、南北七十七メートル。第一層よりも高い基壇上にある。このレベルには二つの経蔵と周囲をぐるりと取り囲む細長い建物、それに火葬に使われたといわれる石漕(正面の基壇下)がある。また北東角にはラテライトでできた特異な石組みの小さな建物がある。このレベルから更に三層のピラミッド型に基壇が積み重ねられており、その最上部に中央祠堂と四つの副祠堂がある。
プレ・ループの魅力は、まず細身のレンガの塔が林立する複雑な平面構成だ。特に東側から階段を上って中央祠堂を目指すとき、振り返ってみるとそうした景観を楽しむことが出来る。もうひとつの魅力は、山岳型寺院としての遠景にある。水田の広がる平坦な風景の中では、赤茶けたピラミッド型の巨大な寺院の上にいくつものレンガの塔が立ち並んでいるプレ・ループの景観は遠くからもよく見え、強い印象を与える。遺跡の前で車を降りるのではなく、数百メートル手前で下りてゆっくりと歩いて近づいてみたい。


from southeast. five towers on the top level(left & center). from east(right).
東南方向から見る中央祠堂と4つの副祠堂(左、中)。正面(東側)から見る(右)。
east gopura from east(left).
正面の東門。上部は崩れている(左)。小さいレンガを積んだ迫り出し構造(中)。
eastern stairway to the top level.
中央祠堂へと登っていく正面階段。他のアンコール遺跡同様に、かなり急である。
view to the east(main entrance) from the top level. stone cistern (below) is said to be used for cremation.
中央祠堂付近から東面を見下ろす。火葬に用いたといわれる石槽が中央に見える。
view to the southeast(left). view to the southeast(center).
上部から北東方向を見る。東面北側に2つの塔が並ぶ(3つ目は崩壊している)。手前右側の塔は経蔵(左)。上部から東南方向を見る。東面南側に3つの塔が一列に並ぶ。手前左側の塔は経蔵 (中)。
レンガで造られたスリット状の窓。
central tower from east.
東から見る中央祠堂。
view from top level to the south(left). Pre Rup from the north(center). 
基壇上部から見る周囲の景色。水田と疎林に囲まれている(左)。北側から見るプレループ。水田と森の向こうにレンガの塔が見える(中)。

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