地図を頼りに、プレループの南側にあたりをつけて入っていった。水路沿いの道は細く、やがてあぜ道のようになった。水路の向こう側に水牛の群がいる。そのうちの1頭がこちらをずっと注目している。群のボスだろうか。遺跡らしいものは見当たらない。いくつかのマウンドが見える。そのうちのどれかが、目指すプラサートトップだろうか。バイクのドライバーが大声で呼びかけた。遠くで畑を耕していた村人が指差して教えてくれる。バイクを乗り捨てて歩いて行く。そして辿りついたのは、樹木と草でおおわれた小さな土盛(マウンド)だった。なにもない。やぶの中に踏みこむと、砂岩の柱やレンガの積まれた部分などが見つかった。しかしその姿を想像することはできない。 夕方になっていた。バイクにもどり、走り始めた。草むらの向こうのずっと遠くに、先ほど遺跡の場所を教えてくれた村人の姿が見えた。手を振る。うずくまっていた黒い影がすっと手を振るのが見えた。 |