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トンレ・サップの北端ちかくの湖岸にある小山、プノム・クラオム(「クロム」ではなく「クラオム」が実際の発音に近い)は約140メートルの高さを持ち、平原の只中では大変に目立つ。メコン川からトンレ・サップ川を遡り、トンレ・サップ湖をわたって十二世紀にアンコールを攻めたチャンパも、この小山を目印にしたことだろう。その山上に立つヒンズー教寺院は、9世紀末にヤショヴァルマン一世によって建てられた。プノム・バケン、プノム・ボックと同様のバケン様式で、ほぼ同時期の建設である。ラテライトの周壁の中に、砂岩でできた祠堂が三つ、南北方向に並んでいる。正面は東である。いずれも上部は倒壊しており、またその表面はトンレ・サップ湖畔の強風や雨に晒されて風化と剥離が進んでいる。祠堂手前(東側)には四つの建物が南北方向に並んでいるが、内側の二つが砂岩、外側の二つがラテライトでできている。これらの建物の壁面には格子状に小さな穴が開いており、通気孔の役割を果たしたと考えられる。周壁内側に沿って、ラテライトの細長い建物が、祠堂群を取り巻くように立っている。 |
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上の写真で、右の円の部分が遺跡、左側の円内は現代の仏教寺院。写真左方向が南側に当たる。 |