Lolei  ロレイ


八九三年、ヤショヴァルマン一世によって建てられたヒンズー教寺院で、アンコールでは最も古い寺院遺跡のひとつである。建築としてはプレア・コー様式に属する。ロレイは東メボン、ネァック・ポアン、西メボンなどと同様、バライの中にある。国道六号線を北に折れ、アンコール地域最初の巨大貯水池であるインドラタターカ(現在は水はない)の中を進むと、小高い森が見えてくる。これがロレイの建設された場所である。人工の貯水池の中にラテライトを二段に積んだ基壇部を築き、その上に寺院を建てた。当時の景観は貯水池の中に浮かぶ島のようだっただろう。東側のラテライトの階段はかつて船着場であった。この階段を上って基壇の上に立つと広場のようになっており、左前方にロレイの四つの祠堂が見える。レンガづくりの祠堂群のうち、東北側の祠堂は多少状態がいいが、全体として傷みがはげしい。四つの祠堂の中心にリンガがあり、ここから砂岩で出来た樋が四方に伸びている。祠堂の入口の、砂岩の枠の表面には碑文が刻まれている。となりには仏教寺院があり、また広場には近隣の人びとが多く集まっていて生活臭のある場所だ。遺跡は損傷がひどく、祠堂の周囲にロープが張られて近寄ることができなくなっている。
ロレイを訪れるとき、直接ラテライトの基壇脇まで乗りつけるのではなく、数百メートル手前で降りて歩くことをお勧めする。そうすることで、インドラタターカの大きさとロレイの位置を知ることができ、またロレイの立つ人工の島の景観を楽しむことができるだろう。
 

   
A mound seen far away is where Lolei was built.
国道6号線からアンコール地方最初の巨大貯水池インドラタターカ(現在は水はない)の中を進むと、小高い森が見える。これがロレイの建設された場所である。かつては島となって貯水池の中に浮かんでいた。
   
Buddist temple 
ロレイに隣接して仏教寺院がある。ラテライトを2段に積んだ基壇部が見える。
 
Stairway to Lolei.Steps are built with laterite stones.
東側の階段。かつては船着場であった。階段部分はラテライトで作られている。
 
4 Brick towers of Lolei.
ロレイの塔堂。4つの塔堂がある。
 
4つの祠堂の中心に置かれたリンガと聖水を流す砂岩の樋。
祠堂入口上には立派なリンテルがある。
 
 
祠堂の入口枠に刻まれた碑文。