Bakong  バコン

 

881年にインドラヴァルマン一世によってロリュオス都城の中心寺院として建てられた。アンコール期における寺院建築の進化の過程において、砂岩でつくられた大型の山岳型寺院として最初のものだ。建築としてはプレア・コー様式に属する。基壇(特に第一層)の重量感に比べて中央祠堂が小さく軽く感じられるその構成も、進化の一過程としてとらえられるだろう。中央祠堂付近からの眺望はすばらしく、人工の山と呼ぶにふさわしい。
東側から入って行くと参道脇にナーガが見られるが、直接地面に置かれているように見える。このナーガには様式化が進む以前の原初的な荒々しさを感じる。バコンの環濠は、現在は草に覆われて湿地のようになっている。環濠はラテライトでできた低い周壁に囲まれ、また水中に下りる砂岩でできた階段があったが、東側参道両側にその一部が残っている。
環濠を渡ったところに周壁があり、更にその奥にも周壁跡がある。途中右側には仏教寺院が、左手には小学校がある。基壇部にいたる手前左右には、砂岩でできた建物が整然と並んでいる。更に進むと、正面には重量感のある五層の基壇がピラミッド型に高まり、その上に細身の中央祠堂がひとつ立っている。中央祠堂壁面にはデヴァターが見られ、そのまろやかな曲線主体の姿はなかなか美しい。最上部のひとつ下、下から四層目には十二の小さい塔堂が中央祠堂を取り囲むように配置されている。
基壇部も中央祠堂も砂岩で覆われているが、中央の基壇の周囲を取り囲むように立つ八つの祠堂群はレンガ作りである。また環濠外側の林の中にも、それぞれが固有の名前を持つレンガと砂岩の小祠堂群が、中央の祠堂をぐるりと取り囲むように立っている。これらの中では南側に残る祠堂がもっとも状態がいいようだ。こうした寺域の広がりを確かめるのも、バコンの規模と構成を知るのに役立つだろう。

Bakong from eastern causeway.
東側の参道からバコンの中央祠堂をのぞむ。両側にはところどころにナーガの欄干の一部が見られる。
Moat.
バコンを取り巻く環濠の東側の部分。草に覆われて湿地のようになっているが、砂岩のテラスが残っている。
central tower from east.
東側から中央祠堂を望む。広い基壇の上に細身の中央祠堂が乗っている。
long hall (north side) from east.
東側から見る南側経蔵(?)。
long hall (north side) from east.
東側から見る北側経蔵(?)。
基壇部(右)と南側経蔵の南側に隣接する建物(左)。
central tower from north east.
北東角から中央祠堂を見る。基壇部は高く、重厚な印象を与える。
eastern causeway from the  foot of central tower.
中央祠堂下から東側参道を見る。左手には仏教寺院が見える。
small towers on the platform which are surrounding central tower.
基壇部には小さい塔が中央祠堂を取り囲むように配置されている。
long hall (south side) of from the top.
南側経蔵(?)を見下ろす。
Brick tower (north side).
北側経蔵の北側に隣接する建物。
Brick tower (south side).
南側経蔵の南側に隣接する建物。奥には学校が見える。
The top of central tower.
中央祠堂の頂部。
Detail of central tower.
中央祠堂の頂部の拡大。
East tower of southern pair.
西側のふたつの祠堂のうち北側のレンガづくりの祠堂。
North tower of Western pair.
西側のふたつの祠堂のうち北側のレンガづくりの祠堂。
devata on the wall of central tower.
中央祠堂に見られるデヴァター。
Apsara on the wall of central tower.
中央祠堂に見られるデヴァター。
Devatas on the wall of central tower.
中央祠堂に見られるデヴァター。
stepstone of north library.
北側経蔵西入口の踏石。
curving at the steps north library.
北側経蔵西側入口の踏石。うずまき状の装飾が施されている。

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