009 アンコール・ワット修復とわたし(三輪悟さん)
Satoru Miwa, a member of Sophia University Angkor International Mission
インタビューWMA 32K (19min.)
石工の作業の音WMA 32K (5min.30sec.)
収録:2003年9月18日、アンコール・ワット西参道修復工事現場 取材:波田野直樹


アンコール・ワット西参道修復工事の現場責任者、三輪悟さんに遺跡修復の実情をうかがいます。写真は修復工事に携わるカンボジアの人たちと三輪悟さん(中央白い服の人物)。


工事現場。下半分にラテライトが積み上がっている。


石工の作業(左)と使用している工具(右)。

アンコール・ワットに行ったことのある人は、環濠を渡る西参道の北側部分(アンコール・ワットに向かって左側)で工事が行われていることに気付くだろう。これがアンコール・ワット西参道修復工事の現場である。 参道の南側半分は以前フランスによって修復作業が行われたが、手付かずだった北側半分が崩壊の危機に見舞われたためにこの修復工事が開始された。三輪悟さんは、ここで4年にわたって修復工事の現場指揮にあたってきた。
この工事はAPSARA(
Authority for the Protection and Management of Angkor and the Region of Siem Reapの略。シェムリアップ州の開発と遺跡の研究・保護・保存・修復を担うカンボジアの国家機関) とアンコール遺跡国際調査団(Sophia University Angkor International Mission)が共同で行っており、三輪さんは同調査団の一員として、この世界最大級の遺跡の修復の現場に日々立ち会っている。
アンコール地域にはたくさんの遺跡があるが、それらは多かれ少なかれ崩壊の危機に瀕している。遺跡の修復はその文化的価値からみても、また観光資源としての役割からみても必要とされているが、三輪さんの話にも出てくるように作業を行える人材はいまだ乏しく、修復を待つ遺跡はあまりにも多い。アンコール地域以外の遺跡に関しては更に課題が多い。無数の遺跡が朽ち果てるがままになっている。
この番組は、2つの部分からなっている。まず三輪さんのインタビューをお聴きいただき、次に石工のノミの音をお聴きいただきたい。基本的にすべて手作業でラテライトの部材を整形していく気の遠くなるような作業の音である。
(波田野)

<以下は三輪さんよりの注>
現在、石切り場でラテライト新材を切り出す作業は、石屋のワーカーが直径4cm(重さ15kg)の鉄筋を用いて全て手作業で行っています。切り出し時の重量は700‐800kg程度。その後、工場に運び込み大型カッターで使用に適するサイズ(300‐350kg程度)に加工しています。我々は、その加工済の石を買って、更に自分たちの手で、最終的に必要なサイズに加工し、微調整を行って使用しています。

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