011 アンコールの森にて In the forest of Angkor
 WMA 32K (9min.)
収録:2003年9月20日、
バンテアイ・クデイにて 取材:波田野直樹


アンコールの森では、さまざまな鳥の声や虫の鳴き声を聴くことができます。ここでお聴きいただくのは、バンテアイクデイ遺跡の森の音です。

 
アンコール地域は広大な森に覆われている。ただしその森の核心部はアンコール・トム、プレアカン、アンコール・ワットと、これらの東側の一帯であって、それ以外は 森はあるものの、かなりの部分が水田、原野、荒地になっている。またアンコールの森は自然林ではなく、人の手が入った森であり、またかつては開けていたがアンコール放棄にともなって森になっていったところもある。ともあれ、アンコールの森はなかなか深く、それでいて木々の密度が稠密とはいえないほどなので、迷うことを恐れなければ、森を歩くのはむずかしくはない (もちろんそのことをおすすめするものではない)。
アンコールの森を歩くと、まず聞こえてくるのはさまざまな鳥の声と虫の鳴き声だ。バードウォッチングをしたこともない私には、これらを識別できる知識がないのが悲しい。 ところで森を歩き鳥の声を聴いてすばらしい時間が過ごせるかといえば、残念ながらかならずしもそうではない。暑いから汗まみれになるし、それを目指して蚊の大群が襲ってくる。 それでも音を録っているので動くわけにいかない。救いはときどき森を吹きぬけてくる微風である。実にさわやかな風だ。
これまで何度か、アンコールの森深く歩いたことがある。しかしその「旅」は視覚的なもので、音にはそれほど関心がなかった。今回、はじめて聴覚的な旅をしてみて、森の音の複雑さを改めて感じている。
(波田野)

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