002 遺跡を旅する(高橋勲さん) Isao Takahashi, traveler
WMA 32K (28min.)
収録:2003年8月23日、東京都内 取材:波田野直樹、本開利矢子

1999年以来カンボジアを度々訪れて、一般の旅行者が
行かないようなマイナー遺跡を 単独で歩いている高橋勲さん(ハンドルネーム :あつし)さん はごく普通のサラリーマン。そんな高橋さんに、クメール遺跡の魅力と旅のコツをうかがいます。 写真は高橋さんが訪れた、プレア・ヴィヘア州チョムクサン付近にある遺跡ネアック・ボス。ほとんど外国人が訪れない秘境にあります。

 
高橋勲さんに初めて会ったのは2003年5月の暑いプノンペンでだった。それ以前から彼はときどき私のサイトにカンボジアの遺跡情報を提供してくれていたが、彼の行く遺跡はこれまでに(少なくとも)日本人が行っていないようなマイナーなところばかりであることが私の興味をひいた(マイナーといっても現時点で一般旅行者にとってマイナーであるという意味であり、遺跡自体の価値とは関係がない)。

高橋さんはサラリーマンであり、いってみればフツーのひとだ。研究者でもない彼がそういう僻地の誰もしらない、ほとんど消失しかけているような遺跡に苦労して行くのはなぜなのか、その理由を尋ねてみたいと思ったのが、今回のインタビューを試みた理由である。
高橋さんがクメール遺跡を訪れる理由のひとつは「廃墟」を求めてであるという。廃墟というのは確かに不思議な存在であって、人をひきつけてやまない魅力がある。私個人にはそういう感覚はあまりないが、その心情は理解できる。
私自身もいわゆるマイナー遺跡を訪ねることがある。しかし彼の動機、感じるものと、私のそれはずいぶん違う。まあ、ひとそれぞれでいいのだ。

彼の話で興味深かったことのひとつは「カンボジアの自然(ことに水田の風景)が外国とは思えない」という点だ。 高橋さんに限らず、カンボジアの人と自然に対して、違和感ではなく親しみと懐かしさを感じる日本人が少なくないようだ。自然景観に親近感を感じ、社会とひとびとに昔の日本の生活を思い起こすという。
フツーのひとは思いもかけない、すごいことをする場合があるが、それを記録せず、語らない。だからその事実は歴史に残らない。高橋さんの旅の歴史とその真実も、残念ながら、そのまま消えてゆくだろう。そして、もしかすると、それがあたりまえで自然なことなのかもしれない。
(波田野)

高橋勲さんのフォトアルバムページ 1 2

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