Looting 盗掘行為

 
盗掘と略奪はカンボジアの遺跡の直面する課題のひとつである。壁面のレリーフの一部を切り欠くような小規模なものから機械を使った大規模な遺跡破壊、探査機器を使った地中の遺物の盗掘まで、略奪の実態は実に多様である。背後には確実に専門的組織的な犯罪組織があり、盗品は陸路や海路でバンコクに密輸され、ここから古美術商を通じて世界の市場に流れていく。古美術品をめぐる闇である。
左及び下の写真はプレア・カン(コンポンスヴェイ)に見られる壁面レリーフの略奪行為。石材表面の新しさから見て、略奪行為は最近行われたと思われる。プレア・カン(コンポンスヴェイ)はアンコール・トムを上回る規模を誇る巨大な遺跡だが、観光地として整備されておらず、保護と保全はいまだに不十分な状態だ。
シェムリアップの北に広がるアンコール遺跡公園を中心とするアンコール地域の一部分を除き、遺跡の盗掘は今も続いており、貴重な文化遺産が日々失われつつあるのが実情だ。
遺跡サイトからの略奪を回避するために多くのリンテル(装飾まぐさ)や彫像などがシェムリアップのアンコール遺跡保存事務所に移されてきたが、この施設さえ武装集団による略奪に遭う事件が発生している(1992年及び1993年)。
略奪行為を防ぐには、直接的には遺跡の監視と警備を強化することが必要だが、現状ではカンボジア国内に数千も存在する遺跡をアンコール遺跡公園と同レベルで保護することはむずかしい。一方で、地域の人々が遺跡の文化的価値を理解することにより、略奪行為に加担しなくなること、更には地域の人々が遺跡を守るしくみが最も必要とされている。
 

looting at Preah Khan of Kompong Svay
プレア・カン(コンポンスヴェイ)に見られる略奪行為

photos courtesy of Tin Tina (April 2003).

 

artifacts smuggled from Cambodia
カンボジアから密輸されたと思われる彫像

バンコクの骨董品店で売られていた彫像と、バッタンバン近くで売られていたという彫像。これらの彫像が本物であるかどうかはわからない。多くの模造品があるからである。仮にこれらが本物ならば、カンボジア国内からタイに密輸されたものとカンボジア国内で密かに売られているものが混在していることになる。いずれも小さな彫像のようだ。



盗掘防止に関する提案

大和さん(ハンドルネーム)よりメールで次のような提案をいただきましたので、ご了解をいただいた上でここに掲載します。なお運営者の判断で原文の一部を削除・修正しているため、文責は運営者(波田野)とします。

アンコール盗掘について(
2003/6/6 ネット名:大和

ネットの盗掘欄(サイト運営者注:LOOTINGのページ)を読みました。遺跡において盗掘は真に悲しむことであり、ぜひ盗掘の防止を早急に。しかし現実には対策に対して技術。・資金の問題があり、なかなか困難なる問題と考えています。
大プリアカン、コーケー遺跡のように、あまり観光客が行けない所に道路を作り観光客を誘致しても夕方客が少なくなったとき、インフラの整備による集団盗掘が考えられます。カンボジア人の教育による遺跡の保護は、貧しさが解決しなかったら無理と考えます。現にタイが豊かになっても(カンボジアと比較して)まだ鍵の世界です。一人平均5個の鍵を持っている。 これは泥棒対策で、それをしなければ盗まれる世界です。

問題を解決する一つの方法として、情報の採取があると思います。盗掘品が流れる最大の国タイの現状を、日々会社勤めの間、それなりに調べました。
2003年6月1日、タイの骨董品屋が多くあるサンデーマーケットに行く。この一年前から、ここに模造品のクメール彫刻が多く売られるようになる。だだ一見して模造品とわかるが。しかし それと同時に青銅クメール像(本物でサイズ200mm以下)が最近売られるようになる。この日、10件ほどの店をのぞき、石像4体、青銅像10体ほどのものが、本物と思い、それなりに価格を聞くと、模造品より高い。
2003年5月4日、タイ人通訳を連れて行き、ある骨董品屋に行き、店の親父にいろいろと聞く。仕入れは、すべてカンボジア。市の場所も教えていただいたがカンボジアのどこが言葉の地名がわからない。すべて本物かと聞くと親父、そうと答える。仕入れはカンボジアから行い、主にチェンマイに、そこで外人に販売するとの話。今、ある倉庫に20体ほど保管しているとの事。これが最近の情報。

さて、いままでいわゆる盗掘品を約40体ほど見てきましたが、ネットの写真のように建物から鑿で壊して、剥がすものは少ない。これら40体のものが、盗掘品か模造かが、素人の私が判断したので怪しいが。ある時アユタヤにて模造クメール像を作っているところに行き聞くと、まず写真がベースでそれを見て作成している。すると今までの発掘品以外の模造は困難と思う。上記40体のうち50%以上は今までの写真にはないものであるが。

さて盗掘防止には、最低寺院の壁の破壊から守るために、寺院に守衛を置くのが一番効果はあると思います。それには、ネット写真を多くの人に見せてカンパを集める。年間100万円を集めれば、一つの寺院を1年間守れるのではないか。経費:守衛室建設費 50万円、守衛年間経費(2名) 30万円、予備費 20万円。

以上 年寄りの独り言。

参考
APSARA((Authority for the Protection and Management of Angkorand the Region of Siem Reap))ホームページの略奪行為に関するページ(英文)

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